Roppongi Story 14

 スマイリ−小原氏の率いるスカイ・ライ−ナースは新宿のキャバレー,
クラブ・リ−が本拠地で毎晩華麗なステップでバンドを指揮し,
踊るコンダクターと人気があった。

 氏の前身は大映の大部屋の時代劇の役者と噂では聞いたが,
そんな雰囲気は,はっきり感じられた。
低いドスの効いた声がピタリときまった。

 そこに司会者の西崎某がトンボの目玉のようなリーゼント頭で
「クラブ・リー・プラウドリ−プレゼンツ」などと毎夜フロア・ショウ案内のマイクを握っていた。

 その彼が立案しピアニストの宮川泰に音を書かせ
当時不遇の松本零士にアニメを書くよう命じ,これがあっと言う間に
「宇宙戦艦ヤマト」に発展してしまう。
 長い間ヤマトの権利で争っている松本零士も,
裁判の結果は文字道りこの状況を克明に判決理由にしていて
松本零士は忠実に西崎某に従って筆を進めた事を立証しているので
残念ながら松本零士には永遠に勝ち目はない。

 このクラブにレイモンド・コンデというフィリピン人がクラリネットで
フランシスコ・キーコというピアニストにギター,ウッドベース,ヴァイブを加えた五重奏団で
ベニ−・グッドマンのコピーをチェンジ.バンドで(スマイリーのバンドと交代で)
披露していたが,なかなか洒落た感じで楽しめた。


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東海林修氏著
http://www6.airnet.ne.jp/oumesan/discography/roppongistory03.htm
より引用。
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