西崎義展と松本零士及びベンチャーソフト間の和解内容
*黒字が和解書原文より引用

和解書


 西崎弘文(以下甲という)と、松本晟(以下乙という)と株式会社ベンチャー

ソフト(以下丙という)とは、甲および乙がそれぞれ製作、公開を予定している

映画の著作物(以下新著作物という)について以下のとおり和解合意する。



1. 甲乙および丙は、新著作物として甲が「宇宙戦艦ヤマト・復活編(仮題)」

 ならびに別紙作品目録記載の各映画の著作物(以下別件映画という)を利用し

 たその他の映画の著作物を、乙および丙が「大銀河シリーズ 大ヤマト編(仮

 題)」をそれぞれ別途に製作し、公開する予定であることを相互に確認する。



2. 甲および乙は、本和解書締結と同時に甲乙間の東京地方裁判所平成11年

 (ワ)第20820号著作権侵害差止等請求事件、同12年(ワ)第1407

 7号著作者人格権確認反訴請求事件および東京高等裁判所平成14年(ネ)第

 2203号著作権侵害差止等請求控訴事件・著作者人格権確認反訴請求控訴事

 件(以下訴訟事件という)の全部を取り下げる。



3. 甲および乙は1項の新著作物の製作・公開にあたり、新著作物に対して甲乙

 相互に著作者人格権を行使せず、かつ新著作物について別件映画の著作者人格

 権の存在ないし影響の有無を争うことなく、新著作物の製作、公開、商品化等

 の二次的利用を進行させることを相互に確認する。



4. 甲および乙は、別件映画の著作物が甲乙共同で著作されたものであり、甲が

 代表してその著作者人格権を専ら行使することができることを確認する。また

 甲および乙は、甲が別件映画の著作者およびその代表者として制作・監督をし

 たこと、乙が別件映画の総設定・デザイン・美術を担当し、これに関する絵画

 の著作物の著作権者であることをそれぞれ確認する。但し、甲はその製作する

 新著作物のクレジットに設定・デザインとして乙の氏名を表示するものとする。



5. 乙および丙ならびに製作スタッフは、新著作物の製作にあたっては、別件

 映画のキャラクター、ストーリー、設定、デザインを使用せず、新たな映画の

 著作物として製作するものとする。但し、この個性的、あるいは乙特有の表現、

 デザイン(作風、画風、タッチ等)についてはこの限りでない。




6. 新著作物の製作、公開に関して、本和解書に定めなき事項については、甲、

 乙、丙はそれぞれ新著作物の公開を期待するファンを含む関係者の利益を最優

 先として、誠意をもって協議し、文書を持って定めるとする。





上記の証として、本和解書3通に甲乙丙およびその代理人が記名または署名捺印

のうえ、甲乙丙各1通を保有する。


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作品目録




1 「宇宙戦艦ヤマト」TVシリーズ

2 「宇宙戦艦ヤマト」劇場版

3 「さらば宇宙戦艦ヤマト」

4 「宇宙戦艦ヤマト2」TVシリーズ

5 「宇宙戦艦ヤマト・新たなる旅立ち」

6 「ヤマトよ永遠に」

7 「宇宙戦艦ヤマトV」

8 「宇宙戦艦ヤマト・完結編35mm」

  「宇宙戦艦ヤマト・完結編70mm」


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確認書




甲・西崎弘文、乙・松本晟、丙・株式会社ベンチャーソフト間の本日付和解書に

ついて、乙は下記のことを確認する。






第1 同和解書1項で甲が新著作物ならびに別紙作品目録記載の各映画の著作物

  を利用したその他の映画の著作物を制作することについて、乙は絵画の著作

  物の著作権者として甲および甲が許諾したものに対しては一切の権利行使を

  しない。



第2 乙は別件映画に関する絵画の著作物の著作権者として、その絵画について

  甲の承諾を得ることなく商品化をしない。

   但し乙が甲とともに既に契約したものや、当該絵画を平面著作物として複

  製し、自己の作品としてそれを展示・出版することはこの限りではない。



以上



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